平屋住宅とリフォーム

平屋住宅は2階建て住宅とは別の視線でリフォームを考える必要があります。自由な間取りで、外部の自然をたっぷりと取り込める平屋住宅はとても暮らしやすいものです。注文住宅で建てられた場合は、自分の好みに合った間取りを設計してもらったはずです。しかし、住み続けるうちに、平屋住宅ならではの欠点も見えてくるはずです。新築の時点では思いもよらなかったことでも、住み始めるとわかってくる事があります。

平屋住宅のリフォームではセキュリティ対策が必要となることが多いはずです。平屋住宅は1階に居室を設けるために、窓などの開口部の設置が多くなります。開口部が多いことは、2階建て以上にセキュリティー対策が必要であることを意味します。リフォームでのセキュリティー強化は、防犯カメラなどの監視機器の設置が有効です。本物ではないイミテーションは、泥棒に簡単に見破られてしまいます。どうせ設置するなら、本物の防犯カメラを設置したいものです。

平屋住宅のリフォームでは、プライバシーを確保するための工事も必要となる場合があります。1階の居室は隣の家から覗き込まれやすい構造で、たとえ覗かれていなくても、心理的には嫌なものです。防犯対策にもなり、プライバシー保護にも役立つ設備として、雨戸の設置が挙げられます。雨戸は暴風雨などの対策に用いられますが、防犯上も有効です。特に就寝中に安心感を得られることは、雨戸の大きな利点です。

平屋住宅は2階建て住宅と比べて、床面積のわりに屋根や壁の面積が多い造りです。断熱効果は2階建て住宅と比べて悪く、冬は寒く、夏は暑く感じられる頻度も多くなります。平屋住宅のリフォームでは断熱の強化が効果的です。特に屋根裏の断熱材が薄いと、断熱効果が悪くなるので、屋根裏に重点的に断熱の補強をすることで、省エネ性能の高い住宅とすることができます。さらに、窓の断熱が弱いと、熱損失が著しくなります。窓の断熱効果をあげるためには、断熱サッシへの取替えや、二重サッシとすることが効果的です。

平屋住宅は2階建て住宅と比べて建物重量が軽く、地震により受ける力は弱いため、耐震補強の必要性は弱まります。しかし、大きな地震にあった後は部材が変形したり、接合部分が弱くなっている恐れがあります。瓦屋根の場合は、鉄板系の屋根に葺き替えるだけで、耐震性は向上します。屋根の葺き替えに合わせて、暗い部屋や廊下部分にトップライトを設置することも、快適に暮らすために効果があります。